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中堅商社C社|需要予測、調達、生産工場、輸送計画までのサプライチェーンプロセス改善支援

  • 執筆者の写真: 藤原慎二
    藤原慎二
  • 7月6日
  • 読了時間: 3分

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業種:食品、清涼飲料水、酒類の輸入・卸売及びOEM商品の製造・販売

拠点:全国に物流センター9拠点、協力委託工場40カ所

課題:OEM商品の製造・調達・物流コストが上昇している

支援期間:5ヶ月(現状分析~施策策定)



背景・課題


過度の円安基調、ロシア・ウクライナ紛争、物流2024年問題、国内市場の成熟

原材料価格の増嵩

トラック乗務員不足による物流コスト増嵩

需要予測精度の向上と生産計画の連動が成されていない

SKU別の適正在庫基準が設定されていない

製造工場決定は従前の引継ぎ及び担当者の人間関係に依存

結果、製造原価(外注製造費、材料費、)及び輸送費が増嵩している


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経営共創センターの支援内容


経営共創センターでは、以下の4ステップで改善支援を実施しました。


① 決算書から競合企業との対比分析とディスカッション

3か年の決算書と中小企業の卸売業、製造業指標から経営分析を実施し、その中からサプライチェーンに関連する項目を更に抽出、競合との比較を行い、自社の強み、弱みを認識し、この傾向が続く場合の未来を共有しました。


② 製造業における課題についてディスカッション

支援のスコープがOEM製造のおける製造原価と輸送費低減であることから、中小製造業との経営分析

結果を踏まえ、自社の課題についてディスカッションを行いました。


③ 取組施策の確定

取組課題としてC社内で今後も業務が完結し、自社内運用ができる体制を構築することを目的に、

  • 需要予測精度について予測誤差率を現状の30%から15%以内を目標とし、ABC分析の結果によりAランクとその他で需要予測の仕組みを変え、労力の負担を軽減する

  • 社内の会議体として需給調整会議を月次で運営し、SCM、営業、調達、生産の各担当者が出席する

  • 商品のカテゴリー・容器によって製品の適正在庫数(上限と下限)を設定する

  • 製造工場の割り当てについては、コストと生産キャパシティーを考慮したロジックを組み込み決定する

  • 輸送モーダルついては、トラックのみならず、運送距離にあわせ、モーダルシフトを実施する

  • を掲げました


④ シミュレーションの実施と仮想デモの実施

需要予測については統計手法プラス営業からのイベント情報を加味した売上見込みを当月+向こう2か月算出するシミュレーションを行い、過去の実績値との整合性をはかりました。更に、製造工場割り当てについても、システムを導入することなく、エクセルの関数を用いた統計手法を組み合わせ、C社様担当者が

自ら作成して頂きデモンストレーションを実施しました。



成果


C社内で自社完結できる体制を構築することが出来ました。

需要予測については、ABC分析の結果を受け、Aランク商品についてのみ統計手法に基づいた需要予測値を導き出すように業務プロセスの変更を行い、現在予測誤差率は18%まで改善しています。

加えて、製造工場決定ロジックに基づいた生産工業の割り当てについては、Aランク商品でコスト改善が進んでいます。 

SCM部長から、「当社の実情を咀嚼しながら伴走して頂いたことに感謝しています。その中でも、安易にシステム導入を行うのではなく、現状の経営資源を有効に活用し、新たな仕組みの導入と仕掛けの展開で効果が出ていることに自信が涌きてきました」との声が聞かれた。



今後の展望


現在はOEM製造に関する業務プロセスの見直しによって財務効果を出していますが、今後は輸入商品に関して同様の需要予測と通関港決定に展開を広げることで、更に財務効果が期待できます。



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