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旅館業G社|東日本大震災で被害を受けた旅館の事業再生支援

  • 執筆者の写真: 藤原慎二
    藤原慎二
  • 7月6日
  • 読了時間: 3分

更新日:7月21日


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業種:飲食・宿泊サービス業

拠点:旅館1か所

課題:事業再生を検討しているが全ての項目においてゼロからのスタートである

支援期間:1年7ヶ月(現状分析~戦略策定~資金計画~広報戦略~再スタート準備)



背景・課題


東日本大震災における福島第1原発爆発事故で全てを失った事業者の再生

周辺住民を失い

固定客を失い

商圏を失い

職を失う

精神的なダメージを受け失意の状況の中で、事業を再生し成功に導く


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経営共創センターの支援内容


以下の9ステップで改善支援を実施しました。


① 現状把握と事業再開の意思確認

設備の状況、商圏の状況、周辺住民の状況など丁寧にヒアリングを重ね、旅館業の再開が可能であるか検討しました。併せて、経営者ご夫婦の意思を確認しました。

ハード面においては、設備を改修すると旅館業としての体裁は問題なく、従業員の確保についても可能であることがわかりましたが、経営者ご夫婦は自信を失っており、事業を再開する意思はありませんでした。


② 分散会議体の開催へ

ご長男夫婦が旅館業の事業を承継したい意思を表明した為、ご長男夫婦との打ち合わせ、家族のみの打ち合わせ、当方が入った家族全体意思決定会議の3つの会議体を設け、ご家族内での意見がまとまるように会議体を工夫しました。


③ 旅館業のビジョンとコンセプト策定支援

G社のビジョンと事業コンセプト策定にあたり、打ち合わせの中心となって纏めました。


④ ビジョンを実現するための課題抽出

ビジョンを実現するためのギャップとしての課題抽出を行いました。室内設備面、ボイラー、温泉、宿泊と日帰り、料理のみの旅館内営業と仕出し弁当など、多岐にわたり課題を浮き彫りにしました。


⑤ 5か年の経営計画の策定

宿泊、飲食、サービス等を月別に積みあげた5か年計画を策定し、旅館業の損益計算書と資金計画表の策定を支援しました。


⑥ 事業計画策定支援

経営計画を実現するための具体的な月別のマーケティング施策、販促施策、料理などを具体的に月別に

落とし込んだ計画書の策定支援を行いました。


⑦ 補助金申請支援

資金繰り計画、経営計画、事業計画に合致した、補助金申請手続きの支援を行いました。


⑧ 広報支援

事業再開日にあわせ、NHK、地元民放、東北エリアをカバーする新聞社、地元新聞社へ記事掲載を働き掛け、媒体報道による空中支援を行い、事業再開の認知度を高める施策展開を行いました。

あわせて、ホームページ、Instagram作成支援を行いました。


⑨ マニュアルの整備

事業再開にあわせ、地震発生時の避難・誘導マニュアル、旅館台帳の記帳マニュアル、リネン類受払表、宿泊者台帳、資金管理台帳などのマニュアルを整備しました。



成果


1年7か月の支援を経て、事業再開を果たすことが実現しました。

東日本大震災で商圏も固定客もなくなりましたが、あらたな固定客も増え、新型コロナウイルスが蔓延した中でも営業黒字を確保し続けました。

現在は東北エリア、関東エリアまで商圏が広がってきています。



今後の展望


今後は、更にリピート率の向上と新規のお客様を増やす取り組みが不可欠であり、お昼の会食のみならず、夜の会食イベント企画、仕出しの拡大等を図ることで期待ができます。



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